初級の生徒さんから質問がありました。

「五虎遁の意味を教えてください」

紫微斗数の命盤作成法で

生まれた年の天干の化気を算出する際に「五虎遁」を当てています。

上図の場合、生年が丙午年なので五虎遁は庚寅。寅宮の干支は「庚寅」となり順回転で

各々の 12 宮位に天干が配当される。

五虎遁とは 5 つの寅月の天干と言う意味です。暦の干支において、年干が

① 甲、己の年の寅月(新暦 2 月)の干支は「丙」

② 乙、庚の年の寅月(新暦 2 月)の干支は「戊」

③ 丙、辛の年の寅月(新暦 2 月)の干支は「庚」

④ 丁、壬の年の寅月(新暦 2 月)の干支は「壬」

⑤ 戊、癸の年の寅月(新暦 2 月)の干支は「甲」となります。

万年暦のP12月干支表参照

各干支年のはじめとなる月

すなわち立春を含む「寅月」の干支を五虎遁と言います。

それでは「遁」はどういう意味かと言うと

通常、身を隠して逃げるとかのがれるの意ですがここの「遁」は

進める、めぐらすで良いと思います。

それではなぜ「寅月」が 1 年の最初となるのか?

今から 2400 年前の中国で夏、殷、周の国の正月は夏正は寅月

殷正は丑月

周正は子月でした。

次の漢の時代に武帝により太初元年(BC104 年)、冬至を十二月(子月)とし立春を 2 月(寅月)とした。

ちなみに年干支を甲寅とした。寅月の月干支は丙寅。武帝の制定は

甲子年甲子月甲子日甲子時

これを原始としてBC104 年の干支を組み立てている。ここに五虎遁の原理があり、

甲年の子月は甲ならば

2 か月後の寅月は「丙」となり

翌年の乙年の寅月は 12 か月後の「戊」

翌々年の丙年の寅月は 12 か月後の「庚」の月となる。これが巡回して五虎遁となっている。

それ以来、干支は 2000 年以上循環しています。

1 年のはじめというと、冬至の時期も「一陽来複」で始まりですが、

生活面で農耕の始まりとして適当である「寅月」を年の初めとすることになった。

五虎遁

月建

毎月の月初めに北斗七星の柄が日暮れにある方向を指す。二月には寅を指す。

昨年は丙申だったがなぜ今年は丁酉となるか? 年干支は木星が関係します。

木星は 12 年周期で丑から申、申から丑に移動します。

上図の子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥の位置は十二辰といって昔から位置のが亥ね概念はありそれと太歳の位置をかみ合わせたものを年の地支とした。

木星が丑の位置の時は寅(青線のミラー位置)

木星が子の位置の時は卯(青線のミラー位置)

木星が亥の位置の時は辰(青線のミラー位置)

木星が戌の位置の時は巳(青線のミラー位置)

木星が酉の位置の時は午(青線のミラー位置)

木星が申の位置の時は未(青線のミラー位置)

折り返りとなり

木星が申の位置の時は申

木星が酉の位置の時は酉

木星が戌の位置の時は戌

木星が亥の位置の時は亥

木星が子の位置の時は子

木星が丑の位置の時は丑

と当てられる。

五鼠遁

月の始まりが寅であり

時刻の始まりは「子」です。

鼠は「子」という意味合いです。

表は五虎遁と違いがありません。寅基準か子基準かの差だけです。