斗数論疾病(病気に関する事柄)

疾役宮

古典的には

病気に罹るかどうか?  それはどの様な種類の病気か? ですが

私の考えでは 病気の抵抗力の強弱。

例えば、風邪を引いた際に、抵抗力の強い人は充分な睡眠や湯を飲むことで回復するが 抵抗力の弱い人は診察してもらって薬を飲んで、甚だしきに至っては長期間かかる治癒と なってしまう。

疾役宮の忌煞会照は病気の抵抗力の上がり下がりに関係して、 必ず病気に罹るとは限らず、また病気の重点宮位になるとは限らない。

体質

病気は体質を見合わさなければならない。 病気の発症、程度は体質と関係がある。 アレルギー、高血圧、糖尿病など。

遺伝 各々の体質は遺伝子と関係する。 五行の陰陽、相剋

中医学の漢方の考え方と同様に五行が中和されている状態では病気にならない。 病気の現象は命盤のなかの 1 宮位に表れることがある。 それは疾役宮とは限らない。十二宮全体が病気を観る範囲だと言える。

病気の原因として

1.内因(体内からの影響。その人の特殊な体質、生理)

2.外感(体外からの影響。風邪や暑気あたり、細菌と病毒性汚染)

3.内因が関わらない外からの病気として(武器による傷害、吸毒、嗜酒)

肝臓の病気 肝臓の病気は治りにくく、長期間の肝臓の病気は遺伝に関係することが多い。 それでは先天的な遺伝体質をどのように探究するか?

五行の剋害を観てみる。

<1 図>

命宮は辰宮で対宮は天機、天梁でその戌宮の三方には煞星が会さない。 その他、命宮辰の三方四正には太陽、巨門化忌、火鈴、文昌が会照する。 この男性が 31 歳の時 庚午大限で天同化忌、天同星は「水」で対宮の子宮は「火」の火星がある。 父母の DATA は

父親は辛未年生まれ。 母親は辛巳年生まれ。

両親の流禄は酉宮に入る。流羊は戌宮、流陀は申宮に入る。 辛干の文昌化忌は彼の身宮である子宮に入る。 命宮は父母の2つの羊刃、陀羅、文昌化忌を受ける

<2 図>

この父母の DATA の影響は同一命盤でも病気の症状の違いが出てくることを 意味している。 戊辰大限時、天機化忌は大限命宮の辰宮にあり戌宮の天梁+羊刃で

「天機、天梁羊刃会」の凶格を形成する。 父母の忌煞も会照し、一旦凶格が形成されるとこの天機の凶性が現れる。

天機星は「木」でこの男性は戊辰大限時に肝臓の病気を患うだろう。 このような先天命宮に関して現れた病気は深刻になり、なかなか全快することが難しい。 彼に聞くと確かに少年時代に肝炎があり、その時ただちに悪化を治療したが、 いまだに肝炎の症状は続き、完治しているわけではないらしい。 続く己巳大限、庚午大限では借入宮の戌宮から見て、己干文曲化忌、 庚干天同化忌が会照し、命宮借入宮の戌宮は連続 3 大限化忌と会照している。

戌宮の天機に関係する病変が続いて発生する。 天機の木は文曲(水)、天同(水)の潤いに浴さない。 命宮、身宮は無星耀でこのような場合、深刻な疾病に対して抵抗力が劣る。

肝木の病変2

3図命盤の王さん(女性)は 15 歳以前に病気を患ったことがある。 大限は丙寅となり丙干廉貞化忌は寅命宮の三方四正の忌煞交冲(会照)となる。 廉貞(火)、午宮の地劫(火)、戌宮の火星(火)すべて火で 火の病変の「心臓」に関係あるか?

父親は辛巳(1941)年生まれ。 母親は丙戌(1946)年生まれ。 母親の廉貞化忌が再び命宮に会照する。 先天命宮の貪狼(木)は三方四正の火を生じるわけですが、

この場合(邪火)と言って、2つの廉貞化忌(火)、午宮の地劫(火)、戌宮の火星(火) の、忌煞の火を生じることにより貪狼は活力を大いに失う。

<3 図>

その他母親の流羊(金)は午宮に入り貪狼の三方で金剋木の剋害がある。 彼女の 15 歳以前の病気は甲状腺腫が大きい事だった。

14 歳の時、一度外科手術をし、取り除いたがまた再発した。 甲状腺の病理は肝臓と関係する。 命盤上の木の剋害の疾病の例となる。

以上